「章くん!」
教室の一歩手前で、掴まれていた腕を振り払う。
「なに今の、先輩だよ!?生徒会長だよ!?なんであんな態度、」
「あいつ、むかつく」
「むかつかれるようなこと、先輩なにもしてな──」
「美香、バカじゃねーの」
「……」
……は?
今、バカって言った?
「まぁ女には男心なんてわかんないんだろうけどさ」
「なにそれ」
「あんだけ女子にギャーギャー言われてるあの男が、なんで美香をいちいち構ってくんのか、考えたことある?」
「そんなの、生徒会で顔見知りだからでしょ」
「俺には、それだけには見えなかったけど」
「……?」
「だからむかつくんだよ、あいつ」
なにそれ。
章くん、意味わかんない。
なにが言いたいのかわかんなくて……なんか、むかつく。
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「春田先輩と?」
「うん、廊下でバッタリ会ったりとか」
放課後の生徒会室で、たまたま女子2人になった隙をみて、にっしーの隣に座り込んだ。


