「だって笑っちゃうくらい不釣り合いでしょ?」
「そんなこと、」
「いーっていーって。みんなそう思ってるんだから。自分でもわかってるしね、瞬くんと私は不釣り合いだって」
みんなに思われていると知りながら、笑い飛ばせるのは……どうして?
悔しかったり、腹立ったり……しないの?
強いから、なにも感じない?
それとも。
瞬先輩の彼女だって、自信があるから……?
「でもね、いくら不釣り合いって言われても、私、誰にも譲る気はないの。瞬くんに別れたいって言われない限り、私は瞬くんの彼女だもん」
「………」
「その辺のミーハー女子たちなんかに、負けねぇぞ!」
「……っ」
「なんつって」
短い髪の毛を揺らす先輩は、冗談めかして笑ってるけど……
「好きだから負けない」って、私には聞こえて。
「両想い」だから、なにを言われたって負けない強さと自信があるんだって、わかったら……
なに一つ経験のない私が、恋も知らない私が……
なんだかすごく、子供に思えた。


