涙を堪えて振り向いた先には、知らない女子数人が立っていた。
靴のラインの色が、私と同じ1年生。
でも、知らない子達。
「なに……?」
「あんたほんとは春田先輩が目当てで生徒会に入ったんでしょ」
「え?」
「とぼけてもバレバレだから」
「………」
なんか……なにこれ。
怖っ。
「春田先輩の周りウロチョロされると目障りなんだけど」
「むかつくからさ、生徒会辞退してよ」
「……なんで」
「なんでじゃねぇよ!」
「!」
ドン!って、肩を押されて壁にぶつけられ、鈍い痛みが走る。
さすがに腹が立つけど、複数人を相手に勝てる気はしない。
じゃあどうすれば……って、頭を巡らせたとき。
ここにいない女子の声が、私たちのいる階段に響いた。
「きゃーー!春田せんぱーーい!」
「!」
瞬先輩が来たの?って……顔を上げる私の前で。
「え、春田先輩きたの!?」
「やっば、行くよ!」
私を囲んでいた1年の女子たちは、血相を変えて逃げて行った。
だけど……見上げる階段の上に、瞬先輩は現れない。
変わりに現れた人は……
この人は……


