「じゃあ……」
「んー?」
また通信に目を通している先輩が、適当に返事をくれたあと。
私が次の質問をしたら、先輩はまた顔を上げた。
「……いつから好きなんですか」
聞いて、なにがしたいのかわからない。
でも……気になるから。
「そんなん誰も興味ないだろ」
「じゃあ私にだけ教えてください。秘密は厳守します」
拳を握って尋ねたら、先輩の口元がふっと緩んだ。
「いつからかなー。気づいたら、じゃね?」
「……」
「ぶっちゃけ全然タイプじゃないし」
タイプじゃないのに好きになったのは……どうして。
「もしかして……止められなかったってやつですか?」
「ん?」
「好きになるの、止められなかった……とか」
めぐちゃんが言ってた、恋の話し。
瞬先輩は……
私がまだ知らない、『止められない恋』をしているの?
「だね」
「……」
「止められなかったんだろうな」
「っ……」
私は……バカだ。
自分で聞いたくせに、耳を塞ぎたい。
もう、聞きたくない……


