「どうせならさー、みんながちゃんと読んでくれる通信にしたいよな」
「はい」
「でもなぁ、それってどうすりゃいいんだろう」
唇を尖らせて、頬杖を着いたまま原稿に視線を落としているその顔に───私は閃いた。
「生徒会長への質問コーナー、とか!」
「え」
「女子はみんな読むと思います!」
「いや、ぜってぇやだ」
「なんで!みんな読んでくれますよ!」
「だってさぁ……じゃあ例えば、どんな質問?」
通信を見ていた目が上がって、すぐ隣で目が合ったから。
一瞬、胸がドギマギして……
「か、彼女のどこが好きなんですか、とか。みんな興味あると思うし」
「なんで俺、生徒会通信でノロケなきゃなんねんだよ」
……ノロケ。
質問に対する答えは、ノロケになっちゃうような答え……ってこと。


