「あれ、七瀬1人?」
放課後、生徒会通信を作っていたら声が聞こえた。
顔を上げると、瞬先輩が机に荷物を置くところで。
「洋平先輩、部活のあとに来るみたいです」
「ふーん、ごっつと西沢さんは?」
「2人で購買に行きました」
「買出し?」
「喉渇いたって」
「ふーん」
暑いのか、瞬先輩が窓を開けに行く。
「じゃあ俺、今日は生徒会通信手伝おっかな」
「え、いいんですか?」
「もちろんいいですよー」
「いーっすよ」って笑った先輩が隣に座って、私の手元にある原稿を自分の前に引き寄せた。
「………」
机の上の原稿を読むその横顔に、聞きたいことがある。
どうしてか、気になることがたくさん増えていく。


