隣の席でめぐちゃんが、頬杖ついて呆れるように女子たちを見てる。
「でも、瞬先輩彼女いるし……ほら、すっごいラブラブの」
逃げ切ろう。
そう思って持ち出したその話題に……女子たちは顔を見合わせた。
そしてみんなが言う。
そんなことは大した問題じゃない、と。
「彼女ってあの人でしょー?」
「あの髪の短い先輩だよね?春田先輩と不釣合いもいいとこだよねー」
「付き合ったのって体育祭時期らしいけど、まだ別れてないんだ?」
さすが……情報は、私よりも持ち合わせているみたい。
「どうせそろそろ別れるって。あの先輩が彼女じゃ、春田先輩かわいそうだもん」
「声も大きいし男っぽいしさー、女子力ゼロ!」
「あんなんで春田先輩と付き合うとか、ありえないし」
「弱みでも握ってんじゃない?じゃなきゃ付き合わないでしょー」
「うっわ、だとしたら最低!」
「………」
机を囲んでいた女子たちは、チャイムが鳴るまでそんな話で盛り上がっていた……。


