「ごめんなさい、わかりません…」
「ええ…」
「でも、好きだって言ってくれて、辛いとき助けてくれて、話しも聞いてくれて……好きになってもおかしくないのにって、私でも思います」
「…うん」
「それでも、私は先輩だけが好きで……他の人じゃ、全然ダメで」
「……」
学校にはいつだってたくさんの人がいて、たくさんの出会いがあった。
章くんじゃなくたって、誰に恋をしてもきっとおかしくなかったはずなのに……
それなのに私の目には、先輩しか映らなかった。
先輩なのに。
教室だって遠いのに。
それなのにどうしているの?って考えるくらい、いつも視界の中には先輩がいて。
どうして先輩だけが目に入ったのか、
どうして先輩の声だけが無性に大きく響いたのか、
そんなの、知りたいのは私のほうだ。


