「……ありがとな」
「……」
「ちゃんと謝って、それに対して許すって言ってくれて、これでよかったって言ってくれて、……なんかすげぇ、救われた」
「、」
「気持ち、一気に軽くなった」
「、…」
先輩が泣きそうな顔で笑うから、私の涙も一層溢れた。
よかった、ちゃんと伝わったんだ。
責任は感じなくていいよって、
これは強がりなんかじゃないよって、
それが伝わって、よかった……
「よし、じゃあ次は俺の番な」
「はい…」
「章くんのこと、聞いていい?」
「なんでも聞いてください」
「うん、じゃあ……美香はさ、自分のために学校まで辞めてくれた章くんに、負い目は感じてないの?」
「負い、目…」
「あそこまでしてくれた人に対して、ありがとうだけじゃ済まされないよなって、俺は思うから…」
「……」
「つまり、一緒にいたいって言われたら、断れないんじゃないかって…」
「もしかして、それで私がいつか、自分から章くんのところに行くかもって思ってたんですか?」
「……うん」
───“いつか迷子じゃなくて、自分の意思で行っちゃいそうなんだもん、美香”
───“章くんのとこ”
あの言葉が“負い目”に繋がっていたなんて、全然知らなかった。
私たちはどれだけ、言葉が足りていなかったんだろう。


