「謝らないでって言ったのは私なのに、ごめんなさい」
「……」
「でもこのままじゃダメな気がするから。だからあのときの続きを……」
───“ずっと謝りたかったんだ。……あの日のこと”
───“電話くれたのに……それなのに俺、”
「聞かせてください。お母さんがいなくなった日、なにがあったのか…」
「……」
私の両手を掴む手に、微かに力が込められた。
そして私は、初めて聞いた。
あの日、あず先輩のお母さんが倒れて、先輩が付き添いをしていたこと。
こんなに時が経って、初めて知った……
「あずにも怒られたんだ。彼女がいるのに来なくていいって…」
「……」
「やっぱ、嫌だよな…?」
嫌かどうかを聞かれると、もちろんいい気分ではない。
だけど…


