どうしているの?ねぇ、先輩…




どうして気づかなかったんだろう。


どうしてわからなかったんだろう。


こんなにも簡単なことなのに。


『再会しないほうがよかった』なんて、先輩が思ってるはずない。


本当は何を思っているのか、


本当は何を考えていたのか、


いちかさんとのことを、これからどうしたいのか。


私はまだ何も、聞いていない。


章くんのことだって、きっと同じだ。


大事なことを、私は何ひとつ伝えていないから。


章くんは友達、いちかさんは友達。


お互い、そんなことを聞きたかったわけじゃないのに。



それなのに私たちは、ずっとそんな言葉足らずな中を歩いていたんだ……












「ハァ、……ハァ…」



先輩が住むマンションについたとき、時刻はもう21時を過ぎていた。


先輩と喧嘩した広場で、私の足が止まったのは…




「……話って?」

「うん、あのね…」



瞬先輩といちかさんが、2人でいたから。


咄嗟に建物の陰に隠れ、息を潜めた。


だって、雰囲気からわかってしまった。


いちかさんが、先輩に告白をするんだって…