「どういうこと、ですか…?」
「たまにいるのよ、春田みたいな人間」
「春田先輩みたいな、人間?」
「何が大切か、誰が大切か、生きる中で当然変わったり増えたりするものだけど。真ん中にある1番大切なものだけはブレない人」
「……」
「どっちがいいとか悪いとかじゃなくて、春田はこの先何があってもブレない人間になったんだろうなって。七瀬がいなくなったあとのあいつ見てて、そんなこと思った記憶があるわ」
「、…」
「まぁ要するに、再会できて春田は相当救われたと思うよ。真ん中にあるものを、今度こそ大事に出来るんだから」
「、」
大切なものが、変わったり、増えたり…
そうだよ、先輩が生きていく中で、『大切』は1つだけじゃない。
たくさんの仲間や夢を抱えて、その中にはいちかさんもいて、その全部を大切にして、
その真ん中に、もしも私がいるのなら…
それって……
それってすごく、幸せじゃない?
「え、七瀬? なんで泣いて…」
「、……ッ…、、」
気づけばポタポタと、大粒の涙が頬を伝っていた。
涙が伝う分だけ、今すぐ先輩に会いたくなって……
「、…ごめん、私、行ってくるっ!」
「うん、うん、……頑張れ美香!」
「え、なに、どういうこと?」


