今になって、先輩の痛みを思い知る。
だけど……
いくら『章くんはただの友達です』って言ったって。
いくら『いちかはただの同級生』って言ったって。
その気持ちを、こうして共感できたとしても…
この痛みが、どこかへ消えるわけじゃない。
痛い胸は、痛いままだよ……
「……、美香!」
マンションの傍の広場で、私を呼ぶ声に足を止めた。
「いちかに、美香が来たって聞いて」
「……」
先輩が追いかけてくれたことは嬉しいはずなのに、暗い気持ちから抜け出せない。
この気持ちは、どうしたら晴れるの…?
「……試験、近いって」
「え?」
「いちかさんが、言ってました…」
「あー、うん。そう、来週から」
「……」
バカみたい。
こんなところにノコノコ来て、勉強の邪魔しか出来ない私はバカみたい。


