「ほんっと七瀬、面白れぇんだけど」
目の前でゲラゲラ散々笑って、勝手に満足している先輩。
面白いって笑われるのは、バカだって言われてるみたい。
だから全然、嬉しくない。
「ていうか俺、バカになんかしてねぇよ?いや、七瀬は確かにバカっぽけど」
「やっぱり!」
「違うって。可愛いなーって、思ってるだけ」
「…………」
瞬先輩の手が頭にポンって乗っかって……揺れたあと。
「ほら行くぞ」って、先輩が歩き出す。
可愛い。
って、言われた気がする。
「、、……」
顔が普通でいられなくて、さっきよりもうんと俯いて歩いてく。
だってこんな顔、瞬先輩に見せられない。
どうしよう、なんで。
なんかすごい、ドキドキする……
違う、やだ。
だってこれじゃあまるで、先輩のこと───
「いで、!」
俯きすぎの視界には、前なんて映っていなくて。
ぶつかったのは、先輩の背中。


