「すみません、お騒がせしました」
「いえ、見つかってよかったです」
店員さんに謝罪した先輩が、私の手首を掴む。
引かれるままに歩きだす私は、俯いたまま。
歩く自分の足が、視界に映る……
「はは、なに迷子になってんだよ」
「……笑わないでください」
「なんで、いいじゃん別に」
「……やだ。」
「やだ」って言ったら、手を引っ張ったまま前を歩く先輩の足が、廊下の途中で止まった。
「なに、落ち込んでんの?」
「………」
「落ち込む要素、あった?」
「だって……」
「だって?」
「瞬先輩、笑ってばっかり……」
「……」
「……」
「え?ごめん、よくわかんねんだけど。俺、笑っちゃダメなの?」
違う。そうじゃなくて……
「……私のこと見て、笑ってばっかり。バカにして、笑ってばっかり」
「……」
「私、確かにバカだけど──」
「…っぶ、」
「?」
「っ、、ちょ、待って、ククッ、ははっ、あはははっ」
「……。」
この人……
また笑ってる!


