どうしているの?ねぇ、先輩…







目が覚めたら見覚えのない白い天井が見えた。

腕には点滴の針が刺さっていて、なんとなく懐かしいような消毒液の匂いがする。


ここ……病院?



「あ、起きた?」

「、」


章、くん…?

あれ、私なんで章くんと病院にいるんだっけ。


あれ……?


「お前40度も熱あんのによく普通に仕事できたね」

「仕事中は38度くらいだったから」

「くらいじゃねーだろそれ」


ベッドに寝転んだまま、思い出す。

私、瞬先輩に会ってた気がするんだけど…


もしかして、夢だった…?

熱が上がりすぎて、都合のいい夢を見てただけだった?


「、…」


そうだよね、先輩がお店の前で待っててくれるなんて、そんな都合のいいことあるわけない。


全部、夢だったん、


「あ、起きた?」

「……」


閉まっていたカーテンを捲りながら、聞こえた声。

そこに見えた、顔。


え、なんで……

夢じゃ、なかったの?


「会計してきたから、点滴終わったら帰れるって」

「そっか、よかったじゃん」

「、…」


よかったじゃんって私に笑う章くんの向こうに、瞬先輩がいる。