「、…」
なんでだろう。
表示される40度って文字を見た瞬間、頭がクラクラ揺れだして……
気持ち悪くて、寒気がして。
体がブルブル震えだした。
怖くなって、立ち上がった足が助けを求めて歩き出す。
「あの、……瞬、先輩」
フラフラする体を壁で支えるように、玄関へ続く廊下に顔を出した。
「ごめん、すぐ戻るから」
「、…」
違う。
そうじゃなくて……
具合が……
「いいよ、早く戻ってあげなよ」
「じゃあ泣くなって」
「泣いてないし、瞬くんには関係ないし」
「いちか、」
ガッターーーーン
立ちくらみみたいに揺れる視界に、耐えられなくて……
ドアの横に置いてあるスタンドライトを巻き込んで、足の力が抜けるように倒れこんでしまった。
すごい音。
ライト、壊しちゃったかも……
「美香……? は、おまっ…」
「、…」
「なんだよこの熱…っ」


