ドキドキする心臓を落ち着かせるように、大きく呼吸をしながら先輩の帰りを待つ。
───“…いっぱい話したい”
「……」
私だって、いっぱい話したい。
話したいことも、聞きたいことも沢山あるから。
まだかな?って。早く戻ってこないかな?って、視線をドアに向けて待っていたら……
「カレー作りすぎちゃったからおすそ分けだよー!」
「おま、勝手に入んなって!」
「いいからいいから、今更遠慮しなくていいから」
「、…」
知らない人が、先輩より先に部屋の中に入ってきた。
え、誰……。
「瞬くん好みのカレーにしといたから遠慮なく、……あ。」
「、…」
目が合ったその人は、カレーの入った鍋を持ったまま固まった。
「いちか、今はまじで、」
「あー……うん、ごめん。えっと、うん、タイミング間違っちゃったね」
「……」
あれ、私、もしかして……
私、なにか勘違いしてるの、かも。


