部屋番号……何番だっけ。
広いカラオケの店内、自分がどっちから来たのか、部屋番号が何番なのか、全然覚えていない。
とりあえずフラフラ歩いてみたら見つかるかなって、適当に歩いてみるけど。
記憶はなにも、戻らない。
カラオケって、どうしてこんなに迷路みたいなんだろう。
「あ、スマホ」
誰かに連絡しようと思ったけど、スマホは部屋に置き去りのまま。
そもそも生徒会メンバーの番号、誰も知らないことにすぐ気づく。
こうなったら受付に行って聞くしかないなって、今度は『受付』の矢印に向かって歩く。
歩く間に考える。
きっと、カードを出した人の名前を聞かれる。
ここ、誰のカードで入ったんだっけ?
確か、にっしーとごっつ先輩はカードがないって言っていた。
私はお財布からカードが見つからなくて、瞬先輩は誰かと電話中だった。
記憶を辿って、洋平先輩のカードだったことを思いだす。


