<美香side>
風邪引いちゃったし、今日は早く帰って大人しく寝よう。
そんなことを考えながら、駅に向かって歩き出す。
あ、やっぱりスーパーに寄って生姜のスープでも買って、飲んで温まってから寝ようかなって、頭の中で考え直しながら歩いていく。
その時……
「………美香?」
誰かの声が、私を呼んだ。
「……」
立ち止まった足が、声の方に振り向いて。
ほんの数メートル離れた場所に立っている、その人を見た。
「……久し、ぶり」
「……」
「元気、だった……?」
「……っ」
なんで、…
どうして、
嘘だよ、こんなの……
絶対、嘘だ……
「、…っ…、……」
涙が勝手に溢れてきて。
ポタポタポタポタ、落ちていく……
「美香、」
「、…、ッ……」
目の前に近づいてきた先輩に、顔を隠すように下を向いたら。
ポタポタポタポタ、涙がアスファルトに沁みていくのが見えた。
「、…ッ……ごめ、なさ、」
「……」
「、……ゴメンナサイ、ッ」
こんなに泣いたら迷惑なのに。
未練タラタラみたいで、かっこ悪いのに……
でも、止まらない。
もう、息すらもうまく吸えないくらい……
だって瞬先輩が、目の前にいる。
ねぇ、なんで……
どうしているの?
ねぇ、先輩……


