「……久しぶり。ごめん、急に」
「……」
「あのさ、聞きたいことが、」
「丁度休憩なんで」
「え?」
「ついて来てください」
「……うん」
店を出て、なにも会話がないままついて歩く自分の足がかなり戸惑ってるように見える。
いや、戸惑ってるってより、アレだな。
これは多分、
「何緊張してるんですか」
「……」
「あんなに人気者の生徒会長だったくせに、俺みたいな男1人に」
「……するだろ、そりゃ」
「……」
今まで感じたことがないくらいの緊張が、マジで全身に流れてる。
討論会での発表とか、卒業式や入学式での挨拶とか……それに、美香に告白したときよりも。
こんなに響く自分の心音を、この歳になって初めて聞いた。
少し歩いて着いたのは、裏にある小さな駐車場。
立ち止まったその場所で、こっちを向いた“章くん”が俺に言う。
「なんですか。聞きたいことって」
「……」
「まぁ、大体想像はつくけど」
こいつには、聞きたいことがたくさんある。
言いたいことだって色々ある。
……なんて。
ほんとは聞きたいことも言いたいことも、1つしかない。
だって俺は、それだけのためにここに来たから。
「……美香は」
「……」
「今どこで、なにしてんの…?」


