どうしているの?ねぇ、先輩…




え、待って、俺。

俺昨日、いちかに……



「瞬くんはいい奴だもん。友達として、ちゃんと幸せになってほしいな」

「……、」



いつもみたいに笑って、いちかがまた歩き出す。……から。



「いちか──っ!」



歩き出したその手を、焦るように掴んだ。



「なに?」

「ごめん、俺、昨日……」



こいつの気持ち知ってるのに、いちかと美香を錯覚して……

俺、マジで最低なことした。


「え、なんで謝るの。別にいいよ、気にしてないから」

「でも、」

「会えるといいね、美香ちゃんに」

「、…」



手首がスルっと抜けて、いちかがまた歩き出していく。

妙に明るい鼻歌を、恥ずかしげもなく歌いながら。


だけど、いちかが涙を堪えてるって思ったのは、

鼻歌を歌いながら、ずっと上を向いていたから……












「やっほー!来ちゃった」


数日後の夜。

チャイムが鳴ってドアを開けたら、地元に就職したはずの直人が立っていた。