「付き合ってたんでしょ?それなのに他の男のところに行くなんて、ひどいね?」
なにを注文するのか決まらないのが、いちかのクセ。
いつまでもメニューと睨めっこしながら、会話だけが先にいく。
「……ひどくねぇよ」
「そうなの?」
「ひどいことしたのは、俺のほうだし」
あの日の電話。
美香になにがあったのか、未だに俺はなにも知らない。
どんな気持ちで、どれだけ不安で、あの日電話をしてきたのか。
なに1つ聞かずに突き放したのは、俺のほうだから。
ひどいっていうなら、俺のほうに決まってる……
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「ほら瞬くん、家着いたから靴脱いで!」
「んー……」


