「てことで俺そろそろ帰るから、いちかこいつの傷癒してやってよ」
「はーい」
「いや、はーい、じゃねぇわ」
家で待っている彼女の為か、ごっつは俺といちかを置いてそそくさと帰っていった。
相変わらず、帰るって決めたら速いな。
「ごっつくんって、彼女と高校のときから付き合ってるんでしょ?」
「違う高校の子だったけどね」
「一途だねー、男の鑑だ」
「そうか?」
「瞬くんが誰かさんに取られたっていう彼女は、一途じゃなかったから違う人のところにいったのかな?」
「………」
初めて……
いちかが初めて、今まで踏み込んでこなかった場所に触れてきた。
「……どーだろ」
俺は途端にいちかを見れなくなって、視線を正面に向けた。


