「別に、好きだって思える子がいなかっただけ」
「いちかは?好きじゃないの?」
大学に入学して多くの出会いがあった中で、いちかとは色んな偶然が重なって仲良くなった。
同じ学部、同じゼミ、同じ講義を取ってることも多くて、仕舞いには大学の傍に借りたマンションも同じだった。
気づいたら、大学での思い出の大半の中に、いちかは当たり前のように存在している。
いちかの気持ちには気づいてた。
それを曖昧にはぐらかし続ける俺に愛想を尽かせることもなく、いつも隣で笑ってくれてる。
なんの理由も知らないのに、いつも。
いつかもし誰かとまた付き合う日が来るんなら、それはきっといちかなんだろうなって、そんなことを漠然と考えるときもある。
だけどそんな考えと俺の行動は、今はまだ伴わないままで……


