横を向いてる私の首にかかる髪の毛を、先輩の指先がそっと整えたから……
体が思わず、ビクっと揺れた。
今度はその首筋にキスされて、首筋から耳まで伝うように唇が流れていく。
なんだか変な感じがして、なにかを堪えるように枕の端をぎゅっと握った。
「……あの」
「ん?」
「心臓、すごい音で……死にそう」
「……」
その言葉に顔を上げた先輩が、枕を握る私の手を取った。
触れたその手は、なんの迷いもなく先輩の左胸に移動していく。
「聞こえる?俺も同じく、死にそうなの」
「、…」
聞こえる。
先輩の胸も……ドキドキ鳴ってる。
「一緒でしょ?」
「うん……」
ふふって笑った先輩に、私も自然と笑みがこぼれた。
ずっと、お母さんのことで泣いていたのに。
あんなに、悲しくて怖くて寂しかったのに。
それなのに今の私の頭の中は、可笑しいくらいに先輩でいっぱい。
他のことを考える余裕なんてどこにもないくらい、瞬先輩だけで溢れてる。


