<美香side>
先輩が、私を見下ろす体勢でキスをした。
甘くて……甘すぎて、体が溶けてしまいそうなキス。
私のおでこにかかる前髪を横に流したあと、今度はそこにキスをする。
瞬先輩、慣れてるのかな……
今にも心臓が壊れそうな私とは大違い。
色んな所に触れる手や唇に、迷いがない。
「……」
「、」
見下ろされるこの状態が恥ずかしすぎて、逃げるように横を向いた。
「え、なんでそっち向くの。こっち見てよ」
「ダメです、恥ずかしい……」
「えーー……顔見えないの、無理なんすけど」
いや、無理なのは私のほうなんです。
「顔、ちゃんと見たい。こっち見て」
「やだ」
「やだとかなし」
「無理」
「無理もなし」
本能が剥き出しなのか、瞬先輩が譲ってくれない。
でも私、先輩みたいに豊富な経験ないから、どんな顔をしてなにをすればいいのかわからなくて。
ほんとに、本当に無理なんです。


