「ごめん、この間も言ったけど、俺も健全な男子なわけで」
「……」
「だからなんつーか……今はちょっと距離をとってないと、あれなわけで」
まじでこのままだとヤバイと思って、飲み物でも取りに行こうかと立ち上がる。
「飲み物取ってくるわ」
そう言って歩きかけた俺の手を、
七瀬が急に、捕まえた。
「え、なに」
「私、言ってません」
「え?」
座った場所から手を掴む七瀬が、俺を見上げて訴えてくる。
「私、イヤだって言ってません。………言いません」
「、…」
一瞬、なんの話かと思ったけど。
俺が前、嫌なときはちゃんと嫌って言える?って、聞いたから。
え、ちょっと待って。
この状況で嫌じゃない、って。
意味、わかって言ってる?
そう聞いたら、七瀬は「わかってる」って、頷いた。
だから俺は、
掴まれている七瀬の手を引いて……ベッドの上に、座らせた。
「………」
「、」
数秒の沈黙の後、
ゆっくり体を倒して、上から七瀬を見下ろす。
「……ほんとに絶対、嫌じゃない?」
しっかりと頷いた七瀬だけど、
本当に触れてもいいのか、本当に嫌じゃないのか。
確かめるようにほっぺに手を伸ばしたら、触れた頬がやっぱり柔らかくて。
たまらずに、そこにキスをした……


