「未来を本気で望むなら、望む分だけ本気で信じなきゃ手に入らない。だから七瀬には信じてほしい」
そんな説教くさいことを言った俺に、七瀬はまた泣いた。
泣いて、言ってくれた。
「信じ、ます……」
「……」
「おばあちゃんになったとき、……隣に、おじいちゃんになった瞬先輩がいるって」
「……」
「信じるので、……よろしく、お願いします」
家族という絶対的に信頼できるものを失いかけている七瀬にとって、誰かとの未来を信じるってことがどれほど難しいか、俺なりに理解はしている。
心に蓄積されてきたその傷に、1つ1つ消毒液でもかけてやれればって思うけど。
深い傷ならその分、傷跡は簡単には消えたりしないはずだから。
やっぱり時間をかけて、傷跡を消していくしか方法はない。


