「今日さー」
「ん?」
「大ちゃんが教室に来たの」
「え、瞬ちゃんの教室?」
「うん」
大ちゃんが瞬ちゃんの教室に行ったって話しは、珍しい。
だって2人の教室はただでさえ遠いし、行き慣れないその場所にあののそのそした大ちゃんがわざわざ行く光景は想像できない。
「あずと別れたこと、気づいたみたいで」
「え、なんで」
「俺もあずに会いに大ちゃんの教室行かなくなったし、あずの様子とかで気づいたんじゃない?」
「そっか」
「だから俺も、別れたってハッキリ答えた」
「理由は?言ったの?」
「理由は……生徒会室行かなきゃで時間なかったし、また今度ゆっくり話そうと思って、まだ言ってない」
「そっか」
てことは大ちゃん、まだ美香のことはなにも知らないのか。
「あとさ、もう1個気になってることがあんだけど」
「なに?」
「あいつ。“章くん”」


