「……なんでそんなこと、言うんですか」
「え、聞いてきたのお前だろ?」
「ズルイ!むかつく!ひどい!ウレシイ!」
「イッテ、ちょ、危ねぇ!」
肩に置いていた右手を離して、後ろから先輩の背中をポカポカ叩いた。
だってズルイ。
そんなのズルイ。
初めてが私なんて、嬉しすぎて、ズルイ……
「あーもう落ち着けって、もう着くから」
着くって、どこに?
そう思った数秒後、自転車はブレーキをかけて止まった。
「とうちゃーく」
到着って止まった場所は、何もない土手。
カフェでもカラオケでもファーストフードでもゲームセンターでもなくて……草しか生えてない、土手。
「ここさー、まじで寝るのに最高だから」
「……寝る」
「俺の憩いの場?大ちゃんも直人も知らない、寝場所」
幼馴染2人も知らない、秘密の場所。
私なんかが教えてもらっても、いいのかな。


