「んじゃ、行くよ」
「はい」
あの時みたいに、先輩がペダルを踏む。
あの時と同じように、踏んで踏んで踏んで……
スピードが、どんどん速度を上げていく。
「、…」
あの時と、同じはずなのに。
同じ道を、同じように、同じ速度で走っているはずなのに。
先輩を好きって気持ちだって、2人乗りができて嬉しい気持ちだって、全部同じはずなのに……
なのになんで、こんなに違うの。
彼女がいるかいないかだけで……こんなに、
こんなに気持ちが晴れるなんて……
私全然、知らなかった。
意味もなく泣きそうになったから、空を見上げた。
景色と一緒に雲が流れて行くのが見えて、なんだか楽しい。
景色1つに、こんなに泣きそう。
雲1つに、こんなに楽しい。
こんな私……バカみたいかな?


