「七瀬ってさ、なんだかんだ“章くん”好きだよな」
「えっ」
「ま、いいや。取りあえず行こ」
なんだかんだ、好き?
もちろん嫌いじゃないし、友達としては好きだけど。
でもなんか、今の言い方、物凄く語弊が……
「あの、どこに行くんですか?」
「んー、駐輪場」
「……」
いや、その後なんだけど。
自転車を取りに行ったあと、どこ行くのって話しなんだけど!
「うっし、乗って、後ろ」
駐輪場について鍵を外した先輩が、前に乗る。
2回目。
先輩の自転車に乗るのは、これで2回目。
1回目のあの時は、瞬先輩には彼女がいたから。
ほんとにいいのかなって、戸惑いながら乗っていた。
今はもう、誰に遠慮をすることもなく、普通に乗っていいはずだから……
後ろに座って、あの時みたいに先輩の肩に手を置いてみる。


