<美香side>
数週間後の放課後、直人くんが廊下を走って私の教室にやってきた。
「美香っ、美香っ!」
慌てたように目の前に来た直人くんを、私はイスに座ったまま見上げる。
なに、そんなに慌てて、どうしたの……?
「あのね、さっき瞬ちゃんに会って聞いたんだけどっ!」
「うん?」
ハッとして周りを見渡した直人くんが、興奮して大きくなっていた声に気づいて私の耳元に顔を近づけた。
そこで直人くんは、小声で言う。
物凄い、大ニュースを。
「瞬ちゃん、あず先輩と別れたって」
え……
別、れた…?
え、今、別れたって言った?
「うそ、」
「嘘じゃねぇよ、本人に聞いたから」
「だって、」
「瞬ちゃん、もう生徒会室行ったよ。信じられないなら自分で聞いてみなよ」
「、…」
別れたって……
だって、そんなことって……


