どうしているの?ねぇ、先輩…


<直人side>




「しっつれいしましたー!」



先生に没収されてた漫画を返してもらった帰り、職員室で瞬ちゃんに遭遇。


瞬ちゃんもなんか没収されたのかなって思ったけど、手に持っているのが生徒会のプリントだったから「なんだよつまんねーな」って、心の中で暴言を吐いた。


こっちは「イチゴオレ飲みながら職員室来んな!」って、先生に怒られたっつーのにさ。



「あー、体育祭のプリントかー」

「うおビビッた!なんだよ、後ろから急に声掛けんなよ!」

「瞬ちゃん、ビビリすぎ」



イチゴオレを飲みながら真後ろから覗き見たプリントには、体育祭の説明文がびっしり。


去年の体育祭からもう1年も経つのかーって、なんとなく去年を振り返ってみる。


去年、俺のクラスと大ちゃんのクラスが偶然同じチームになって、見事優勝した体育祭。


優勝したチームで開催されるバーベキュー大会は楽しかったけど、その帰り道、大ちゃんたちとラーメンを食べに行ったせいで、足の親指を骨折した体育祭。


今年は骨折らないようにしよーって、今胸に誓った体育祭。



「あー、準備期間1ヶ月ってことは、チームもうそろそろ決めないとかー…」



俺的には読む気も失せるそのプリントを、瞬ちゃんは廊下を歩きながら読んでいる。


だから俺も、イチゴオレを飲みながらその後ろをついて行く。