くす玉の補強は、無事終了。
今日は新入生以外の在校生は自宅学習という名の休日で、2,3年で登校しているのは私たち生徒会役員と、手伝いに選ばれた数人の生徒だけ。
「瞬先輩、入学式で挨拶するんですよね?」
「んー、パパッとね」
「緊張しないんですか?」
生徒のみならず、新入生の親たちが見ている前で挨拶って……
私なら、こんなとこで呑気にくす玉の補強なんてしていられない。
「緊張なー。緊張とか、しばらくしたことねぇかも」
「全然?」
「全然」
「…凄いですね」
「別に凄くねーよ。紙に書いたの読むだけだし」
そうかもしれないけど。
それでも少なからずするよ、緊張……
「うっし、じゃあそろそろ行くか」
「はい」
そろそろ入学式が始まりそうな雰囲気になってきたから、瞬先輩と一緒に生徒会役員の席に座った。
席には洋平先輩たちが既に座っていて、3人で雑談をしていた様子だ。