それからすぐに迎えた春休み。

なんとなく暖かくなってきた気候の中で、ひたすらダラダラ過ごした休みはあっという間に終わりを迎えて、明日はいよいよ始業式だ。


高校生活2年目の春が、いよいよスタートする。



「えーと…」


翌日の学校で、廊下に貼りだされるクラス分けの紙を見る。

楽しいクラスになればいいけど、馴染めないクラスになったらそれこそ最悪な高校生活が始まる瞬間だ。


「美香ー、聞いて聞いて!私にっしーと同じクラスだった!」


自分の名前を見つけためぐちゃんが、廊下の奥から走ってきた。


「えー、いいな。私の名前全然見つからないんだけど」


先輩に恋をしているってだけで、「同じクラスでありますように!」なんて祈る必要もない。

だから私の視線は今、自分の名前と友達たちの名前を探すことだけに必死。


「あったよ!美香、2年6組!」

「2年6組…」


友達、いるかな?

最初に書かれている男子の名前から、順に見ていく。


秋岡、知らない、池田、知らない、岡崎、知らない、田所、知らない。


……あ、章くんも同じクラスだ。