「あー、なにやってんだろ俺。わっけわかんねぇ…」
いや、訳わかんないのは俺のほうなんだけど。
机に頬をぺターってつけた瞬ちゃんが、また長くて深い息を吐いてる。
「こんなん、ただのだらしねぇ男みたいじゃん。中途半端すぎて笑えねー」
「……」
なんとなく。
なんとなくだけど……もしかして、美香のこと?
中途半端ってことは、あず先輩と美香の間で、中途半端なことしちゃってるってこと?
ねぇ、そうなの?
「ダメだ、やっぱ大ちゃんにも話し聞いてもらって、」
「うお!それはやめたほうがいいんじゃないかな!?」
顔を上げた瞬ちゃんを、俺は焦って引き止めた。
「なんでだよ、あずの友達なんだから相談したほうが、」
「だからだよ!大ちゃんに相談したってあず先輩と瞬ちゃんの板ばさみに合うだけで悩ませちゃうって!」
「え……そう?」
「そうそう!」
大ちゃんに相談なんてしたら、きっと美香の立場が危うくなる。
あず先輩と超仲がいい大ちゃんには、事後報告くらいが丁度いいんだよ。