「あのね美香。フラれることに夢を持つんじゃなくて、両想いになることに夢を持つの」
喋りすぎてお水を一気に飲むめぐちゃんに変わって、今度はにっしーが教えてくれる。
「告白はフラれる為にするものじゃない。例え結果が伴わなかったとしても、最初からフラれることに意味を持っちゃダメ。てことを、めぐは言いたいんだと思うよ」
グサグサ刺さった胸の中に、にっしーの言葉がスーッと入ってきた。
両想いになることに夢を持つ。
「両想い」なんて、今まで考えたこともなかった。
だって、
だって先輩には彼女がいるから。
「両想い」なんて、望むことすらバチが当たる気がしてたから。
だけどもし……もしも夢を見てもいいのなら。
夢を見ることくらい、許されるのなら。
私だって、本当は。
本当は……
「あっれ、チトセはー?」
ビクっと肩が跳ねたのは、真後ろから聞こえた直人くんの声が大きかったから。
まさか瞬先輩も一緒じゃないよね?って振り向いて確認したら、直人くんは1人ぼっちで立っていた。


