「………」
「、…」
どこを見ていいのかわからなくて……俯く先の、桜を見る。
瞬先輩がなにかを言ってくれるのを待つけど……なにも言ってくれないから。
チラっと先輩を盗み見たら、先輩もチラっと私を見た瞬間で……
タイミング悪く、目が合った。
「う"……な、んですか!」
「え?」
「なんでこっち見るんですか!やめてください!」
「えー……」
恥ずかしすぎて、瞬先輩とは真逆を向くように顔を背けた。
視界にはもう映ってないのに、存在を感じるだけでドキドキが凄い。
自分から作ったドキドキなのに……耐えられなくて吐きそう。
「七瀬ー」
「……ハイ」
「俺、無理だわ」
「、…」
無理。
背けた後ろから聞こえた言葉に、吐き気は消えた。
変わりに襲ってきたのは……体が重くなるような、胸の痛み。
「七瀬にラブレター貰っても、俺、読めないと思う」
「なん、で……」
「だってそれ読んじゃったらさ、多分俺、迷っちゃうもん」
「、…」
迷っ、ちゃう……?
迷っちゃう。
それは……どういう意味で。


