「でもそっか。向こうからチューしてきたら、それって浮気男ってことになるもんね」
「、…」
浮気男……
そうだよ……なに舞い上がってるの、私。
なにも喜ぶようなことじゃないのに。
なにも浮かれるようなことじゃないのに。
瞬先輩に抱きしめられても。
瞬先輩が胸を貸してくれても。
そんなのただの、優しさなだけ。
ただ、行方不明になって、心配して……それで優しくしてくれただけ。
ただ、家族がおかしくて、泣いて……それで優しくしてくれただけ。
たったそれだけのこと。
優しさ以外に、なにかあるわけないのに……
ちゃんと、わかってる。
先輩には彼女がいる、って。
わかってるから……
「美香?」
「、…」
わかってるのに、私、最低かもしれない。
どうしよう、私……
「私、……最低」
「え?」


