3人の先輩が出て行って、急に広く感じる部屋の中。
部屋と同時に心の中も静かになって、「ふぅ…」って小さく安堵の息が出た。
落ち着いた心で、さっきまでのことを振り返ってみる。
雨の中……暗くて、怖くて、寒くて。
そんな中で来てくれた、瞬先輩のこと。
あの時……
───“、…七瀬っ!”
ぎゅーって強く、抱きしめられたこと。
全然実感がなくて、まるで夢の中の出来事みたいだったけど。
でも確かに、ぎゅーって……ぎゅーーーって。
すごい力で、抱きしめられた。
さっきもここで、胸を貸してくれた。
全然、抱きしめるとか、そんなんじゃなかったけど。
でも……
思い出したら、今更ドキドキしてくる。
「ねぇ、実際どうだったの?なんだったの、さっきのアレ!」
「えっ」
タイミングよく、にっしーの尋問が始まった。
思い出すだけで顔が火照るのに、言葉にして説明するなんてとてもじゃないけどできそうにない。
「なんでもないよ、全然、まったく!」
「えーほんと?」
「ほんとほんと!なにかあるわけないじゃん」
「チューとかされなかったの?」
「は!?されるわけないし!」
そんなことされてたら、私きっと今生きてない!


