「ちょっと、そんな話するなら出てってくださいよ」
「えー、でもさにっしー、俺ら美香ちゃんを心配してー」
「美香はもうすっかり元気!見てわかるでしょ!」
「あーうん。じゃあにっしー、これから俺と夜の散歩に───」
「行きません」
即答される洋平先輩に、先輩2人が笑ってる。
だけど私は、やっぱりまだ上手く笑えない。
「七瀬さんも無事みたいだし、俺らはそろそろ部屋戻ろうか」
「だね」
あ……もう戻っちゃうのか、なんて。
笑えないくせに、寂しさだけはちゃんと感じる。
「今日は早く寝ろよ?」
一緒にベッドに座っていた先輩の手が、立ち上がるときにまた私の頭に乗った。
ポンっと乗って離れていく手に、寂しさが募る……
「戻りたくなーい」ってにっしーの腕を掴む洋平先輩は、ごっつ先輩に引きずられるように連れて行かれた。
もう姿は見えないのに、廊下からは先輩たちの声が聞こえてきて。
「洋平、ちゃんと歩けって」
「美香ちゃーん!誕生日おめでとーなぁーー!」
「遅ぇしうるせぇわ!」
「じゃあにっしー、散歩、!」
「しつこいって」
そんな先輩たちの掛け合いに、私もやっと笑えてる。
最後までギャーギャー聞こえる洋平先輩の声に、にっしーは隣で苦笑い。


