引き寄せられた体は、抱きしめられるとか、そんなんじゃなくて。
片手が軽く、頭に乗るだけ。
泣く為に、ただ胸を貸してくれているだけ。
だから先輩は、決して両腕でぎゅっとはしてくれない。
ドキドキなんてしない。
今はもう、頭の中が悲しすぎて、明日からの毎日が不安で、不安で……
今はそれ以外、考えられない。
ひどく泣き続ける私に、先輩は何も言わずに胸を貸し続けてくれる。
頭に置かれた手がまたポンポンってリズムを刻むから、どうしたって涙は止まらない。
いつまでも、いつまでもこうして寄りかかっていたいけど。
だけど自分から離れなきゃ、これ以上は迷惑になる。
「、…ごめんなさ」
謝って、涙を拭きながら体を離す直前───
ガチャ
部屋のドアが、突然開いた。
「あ」
「え」
「おっ」
こっちを見ているのは、ごっつ先輩とにっしーと洋平先輩だ。
にっしーが、私と瞬先輩を見て固まっている。
ごっつ先輩が、目を細めてこっちを見ている。
洋平先輩の口元が、なにかを考えてニヤケてる。
密着している私たちを見て、3人共動かない……。
…………。
密着……?
「……う、わ!?ちが、違います!」
「美香、もしかして……!」
「にっしー、違うから!」
これ絶対、誤解されてる!
違うのに!


