「瞬先輩……」
「ん?」
「私、見つかってよかったですか……?」
「え?」
「あのまま見つからなくて、ずっと行方不明でいたほうが、って……思ってませんか?」
「なんだよそれ。思うわけねぇじゃん」
「、…」
思うわけない。
思うわけ……
どうして瞬先輩が、それを言うの……?
「……私は」
「……」
「私はその言葉、…お母さんに言ってほしかった」
耐えられなくてベッドの上で膝を抱えたら、涙がボロボロ溢れてきた。
「……お母さんは」
「、…」
「言ってくれないの?」
泣くのが恥ずかしくて、でも止まらなくて……
肩に掛けたままだったバスタオルを、頭から被って顔を隠した。
「昔は、普通だったんです、……普通の、どこにでもあるような家族だったんです」


