バスタオルを肩に羽織ったまま部屋に戻ったら、イズミンと瞬先輩が部屋の中で何か話をしているところだった。
「あ、七瀬。体温まった?」
「はい……」
「これから七瀬の家に電話しようと思うんだけど」
「え……」
「今日はもう家に帰りたいでしょ?先生送ってってあげるから───」
「、大丈夫です!」
家になんて帰ったら、あの男がいる。
「大丈夫です、…ここに、います」
「でも」
「お願いします、ほんとに、……大丈夫なので」
帰りたくない。
できればずっと、あんな家に……
「そう、わかった。でも電話だけはしとくからね?」
「、…」
「みんな心配してるだろうし、電話したあと私ちょっと洋平たちのとこ行ってくる。あとあの野郎とも話してくるから、春田、七瀬が落ち着くまでここにいてもらっていい?」
「うん」
「んじゃ、よろしくね」
イズミンがスマホと車の鍵だけを持って、部屋から出て行った。


