歩き出してどれくらいが経っただろう。
「……これ、ほんとにお店なんてあるの?」
だっていくら歩いても、ずっと山道が続くだけ。
車も全然通らないし、外灯なんて全くない。
どこまで進んでも、道路を挟んで山の草木が生い茂っているだけだ。
どうしよう、なんか怖くなってきた……
暗くなる前に、一端戻ったほうがいいかもしれない。
そう思って振り向いた、ら……
「え……」
振り向いた先は、真っ暗だった。
夜の世界が始まった山の中は、一瞬で視界を消し去って……
足元すらもまったく見えない、闇の世界に急変した。
「うそ、…」
待って、なにこれ、どうすればいいの?
真っ暗で、1歩も動けない……
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「西沢さーん、七瀬は?」
「え、あれ?トイレに行くって言ってたけど、そういえば遅いな」
「あー、やっと仕事終わったー!ちょっと春田、私の肉焼いてー!」
「ねぇイズミン、七瀬見なかった?」


