「確かに最初の動機はただお金がほしい、小遣いがほしい。そんな不純な動機かもしれません。でも社会に足を踏み入れて働くことで、知らないうちに様々なものが身につくからこそ、そこに「やってよかった」という思いが生まれるんじゃないですか?」
瞬先輩、すごい。
先生に全然負けてない。
なんかもう、言葉にならないくらいにすごい!
「他になにか言いたい事はありませんか?」
ノートを破られた腹いせか、瞬先輩の声が険しい。
「……お前はどう思ってんだ?」
瞬先輩には適わないと悟ったのか、標的がごっつ先輩に移った。
「僕ですか?」
「アルバイトについて、どう思う」
「個人的には、社会に出る前に『社会の雰囲気を知ることができる』ということが重要に感じます。なにも知らずに投げ出されるよりも、少しでも片足を突っ込んだ経験があるほうが、気持ち的にも余裕が生まれるんじゃないかと思いますけど」
……みんな、しっかりしてる。
瞬先輩もごっつ先輩も、どうしてそんなにしっかりしてるんだろう。


