「……………」
注目の的だった先輩2人が、言いたいことを言い終えたからか同時に黙る。
そのせいで、大広間には気まずい空気が流れ続けている。
「、…」
空気が、重い。
誰がこの空気を最初に壊すのか……それをみんなが待っている。
先生、大人なんだからどうにかしてよって、思ったとき。
空気を壊したのは───うちの学校の、もう1人の先輩だった。
「せんせー」
聞こえた洋平先輩の声に、恐らく全員の視線が向かった。
「あ、俺書記ね、書記」
2人の先輩や先生とは対照的に、洋平先輩の声はいつもみたいに穏やかなまま。
「あのね、悪いけど俺ら、こんなことしにここまで来たんじゃないんだよね」
そうだよ。洋平先輩の言う通り、今日の目的はこんなことじゃない。
それはきっと誰もが思っていたことで、けれど私や他校生は誰も口に出せなかったこと。
私たち、今日は討論会をしに来てるのに、
「俺ら今日、バーベキューしに来てるわけじゃん?」
「「「…………」」」
大広間に流れる、異色の空気。
その中で、洋平先輩だけが胸を張っている。


