「なんだお前」
「副会長です」
メガネ男子のごっつ先輩が、あくまで落ち着いた口調で話し出す。
「先生、春田が会長だとどう察しがつくんですか?」
「は?」
「教えてくださいよ先生。大人なんだから」
先生に歯向かうタイプになんて見えないごっつ先輩が、歯向かっている。
瞬先輩を……友達を悪く言われたから?
「は、…だから、生徒の代表である会長がちゃんとしないから、全体に纏まりがなくなって学校自体が荒れてだな」
「うちの学校、しっかり纏まってるし荒れてませんけど」
「……」
「先生、人望って言葉知ってるでしょ?すごいんですよ、うちの会長、本当に」
人望……
私でさえ、知っていた。
瞬先輩の周りには、いつもたくさんの人がいること。
いつも誰かと笑っていて、どこにいたって目に入って。
私や直人くんなんかの後輩組にも優しくて、面倒見がいい。
女子だけじゃなく、今みたいに男子にだって信頼されていて……
イズミンや保健室のおばちゃん先生、きっと他の教師とだって仲良しで……
『人望』なら、きっと瞬先輩は誰にも負けない。


